アレルギー性肝障害(原因・症状・治療) -肝機能障害を引き起こす病気
アレルギー性肝障害は、投与された薬剤の副作用として肝臓が障害を受けるものです。全ての薬剤が原因となり、通常、薬と認識しない、漢方薬、民間療法薬、健康食品なども原因となることがあるそうです。
アレルギー性肝障害の原因
アレルギー性肝障害は使用した薬剤に対するアレルギー反応(過敏症)として起こる肝障害で、薬を使用したあとすぐに症状があらわれるのではなく、一定期間(1~4週間)をおいてあらわれるのが特徴です。原因は、使用量が一定以上になると、薬剤やその分解産物の毒性が肝臓に作用して起こります。原因となる薬剤は特殊な病気に使用されることが多く、使用量に比例して障害も大きくなり、肝臓の薬物代謝が不十分なために薬剤が蓄積して起こります。アレルギー性肝障害の原因となる薬剤はさまざまですが、抗生物質、解熱鎮痛消炎薬、精神安定薬、高血圧や不整脈に使用される薬などに多くみられるそうです。
アレルギー性肝障害の症状
アレルギー性肝障害の症状としては、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛などの消化器症状、全身倦怠感、黄疸などが約半数の人にみられますが、特徴的な症状は発熱、発疹(薬疹)、かゆみなどです。薬剤を使用したあとに、これらの症状があらわれた場合は、アレルギー性肝障害が疑われます。時には、非常に重症な場合があり、劇症肝炎となって死に至ることもあります。薬剤の障害が長期にわたる慢性型では、自己免疫性肝炎と似た病態を呈するものがあり、また、ごく一部の薬剤ではありますが肝癌などの腫瘍が発生することがあるようです。また、肝臓の障害が非常に強く劇症肝炎となることがあり、集中治療室での治療、さらに肝臓移植が必要になることがあります。