セロコンバージョンとは

免疫機構によって活動を抑えられた状態をセロコンバージョンと言います。感染者の多くはセロコンバージョンが続くので、肝炎を起こさない無症候性として通常の日常生活が送れるようです。

 

 

セロコンバージョンとは?

B型肝炎ウイルスが活発に活動し、増殖を繰り返している時期は血液中のHBe抗原(B型肝炎ウイルスに感染しており、感染性が強いことを示します。)がプラスになっています。それがマイナスに変わり、HBe抗体がプラスになった状態がセロコンバージョンです。これはB型肝炎ウイルスの活動が人間の免疫機能によって抑え込まれた状態を意味しており、肝炎が治まった状態と言えます。専門書によれば、一昔前はセロコンバージョン状態になればB型肝炎は治癒したものと思われて、セロコンバージョンが治療の目的地、ゴールだった時期があるのです。

 

セロコンバージョンは治癒じゃない?

なぜセロコンバージョンが治癒とならないかと言うと、B型肝炎ウイルスの変異株が誕生することがあるからです。せっかく免疫力によってB型肝炎ウイルスを抑え込み、肝炎が治った状態になっても、ウイルスのDNAが突然変異し、これまでとは異なる変異株が生まれるのです。この変異株によってB型肝炎ウイルスはまた増殖を繰り返しはじめ、慢性肝炎や肝硬変を発症させるのです。C型肝炎・B型肝炎によれば、セロコンバージョン状態で肝炎が治まった人でも、血液中のB型肝炎ウイルスが多い人は、変異株が増殖を続けている可能性があり、慢性肝炎だけでなく時として劇症肝炎を発症する危険もあるそうです。セロコンバージョンが起こってもこの変異株が再び増殖して肝炎が増悪する人は、セロコンバージョンが起こった人全体の20%~30%にみられるそうで、セロコンバージョン状態になっても定期的な観察が必要と言えるでしょう。

 

セロコンバージョンでも発病や感染します。

セロコンバージョンが治療の目的地と言われていた時期もありますが、ウイルスの活性はたしかに低くいので、発ガンのリスクとウイルス量には相関があるのも事実です。ですがが、B型肝炎ウイルスが検出限度以下であっても発癌しないわけではありません。また、他人に感染させるリスクについても同じです。特に他人と性交渉をして その方を急性B型肝炎に罹患させたり劇症肝炎に至らせたなどのケースも報告されています。ウイルス肝炎が治った状態になっても、ウイルスのDNAが突然変異し、これまでとは異なる変異株が生まれる可能性があるので注意が必要と言えるでしょう。
人生の幸せは肝臓で決まる