代償性肝硬変と非代償性肝硬変について

肝臓は肝細胞が障害を受けても、残った肝細胞でその機能を代償する機能を持っています。ですが、壊された肝細胞が多く、残された肝細胞では、体が必要としている仕事が十分にできなくなった状態です。

 

 

代償性肝硬変とは?

慢性の肝臓病により、肝機能が低下すると、肝細胞が壊死してしまうのです。壊死した細胞は繊維状の組織となって硬くなってしまいます。これが肝硬変ですが、初期の段階では残された肝細胞でも、肝臓自体が高い組織再生能力を持つ臓器であるため、肝臓の代償機能により、破壊された肝細胞の働きを補ってくれるのです。重い症状が出ないように、残った肝細胞での代償していることから、代償性肝硬変と呼ばれます。治療では栄養療法が中心です。肝臓病では、体に必要なエネルギーや蛋白などの合成や貯蔵が十分にできなくなり、体全体の栄養状態が悪化して病気の進行につながってしまいます。

 

非代償性肝硬変とは?

非代償性肝硬変は、通常の肝硬変が進行しているため、肝細胞の多くが破壊されてしまい、少なくなった正常な肝細胞の力では、日常的な生活を送る事の出来る肝臓の機能を発揮できなくなってしまった状態の事です。破壊された肝細胞が多く、残された肝細胞では、体が必要としている仕事が十分にできなくり、非代償性肝硬変になるようです。代償性肝硬変なると、いろいろな症状や合併症が起きて、肝不全(肝細胞の壊死)や食道静脈瘤(食道の粘膜下にある細い静脈がコブのようにふくれて拡張)にもつながります。放っておくと肝臓癌になる可能性があるので注意が必要です。

 

代償性肝硬変と非代償性肝硬変の違い

肝硬変は代償性肝硬変と非代償性肝硬変でわけられています。代償性肝硬変では、正常な肝細胞がまだ十分に残っており肝臓の代償機能により、破壊された肝細胞の働きを補ってくれるのでほぼ無症状です。ですが、非代償性肝硬変では、肝機能が低下し代償機能が限界に達した状態になります。日常的な生活を送る事の出来る、肝臓の機能を、発揮できなくなってしまった状態になり、不全(肝機能の働きが著しく低下)状態になってしまいます。いずれの肝硬変も、放っておくと合併症や肝臓癌になる可能性が十分にあるので、異変を感じたならば、早めに病院へ行きましょう。
人生の幸せは肝臓で決まる