無症候性キャリアとは?

無症候性キャリア(むしょうこうせいキャリア)は、病原体による感染が起こっていながら、明瞭な症状が顕れないままに、他の人や動物などに、その感染症を伝染させてしまう可能性のある感染者のことです。

 

 

 

無症候性キャリアとは何でしょう

無症候性キャリア(むしょうこうせいキャリア)とは、病原性の細菌、ウイルスなどを体内に保有している人のこと。キャリアは英単語のcarrier表記で、運び手、運ぶ者、保有者を意味します。無症候性キャリアは単にキャリア、無症候キャリア、無症候性保有者、健康保有者などとも呼ばれ、特に細菌を体内に保有している人は、無症候性保菌者、健康保菌者と呼ばれることもあるようです。さまざまな病原体が感染することで感染症が引き起こされますが、感染が成立しても、その感染症特有の症状がはっきりと現れない場合があります。免疫など感染に対する防御機構の働きによって発病に至らない場合や、病原体に特有の性状によって症状の出ない時期がある場合が、これに当たります。

 

どんな病気が感染するのか?

細胞白血病ウイルスや、慢性ウイルス性肝炎の原因となるB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなど、潜伏感染や慢性感染を起こす病原体による疾患で、多くの無症候性キャリアが存在します。B型肝炎、C型肝炎では、乳幼児期に無症候性キャリアになったとしても、体の免疫機構が未完成なためにほとんが発症せず、成人になって慢性肝炎の状態になることが多いです。その他の例では、エイズ(後天性免疫不全症候群)では、HIVウイルスに感染直後に一過性の風邪に似た症状が現れ、その後は長い場合では10年間以上も無症候の期間が続き、最終的にエイズを発症します。無症候の間も、HIVは血液中でT細胞に感染しながら、徐々に増殖しており、無症候性キャリアは血液や性交渉を介してHIVを感染させる可能性を持ってると言われています。

 

自覚症状はあるの?

肝臓の病気の場合には、自覚症状がほとんどないという共通した特徴があります。特に肝炎の場合、気がつかないうちにウイルスに感染し、炎症による肝細胞の破壊が進行し、症状が現れたときには肝硬変になっていたということもあります。炎症が現れていない時期、症状はみられないけどウイルスは持っているという意味で、無症候性キャリといいます。無症候性キャリアは、B型肝炎ウイルスによる炎症が起こっていても自覚症状のないまま経過し、多くの場合は治ります。一方、経過しても免疫の防御機構が十分に働かない場合は、ウイルスが排除されずに炎症が続いて慢性肝炎となってしまいます。
人生の幸せは肝臓で決まる