腹水について(症状・治療など) - 肝硬変の合併症
腹水は、肝臓機能が低下することにより、たんぱく質を含む液体が腹腔に蓄積してしまう状態を言います。ですが、腹水は病気がなくても数十ミリリットルの腹水が常にあり、お腹の中で腸が動く時に潤滑油の役割をした働きをしています。
腹水の症状は?
腹部には腸の前と腹壁との間に腹腔と呼ばれる腹膜で囲まれる空間があり、通常では、数十ミリリットルの腹水があります。ですが、腹膜の炎症や癌によって滲出液(細菌性の炎症を起こしたときに、血管外へしみ出てくる液)が多量に産生されるために起こります。腹水が1ℓ以上たまると肉眼的にもおなかが膨らんで見え、膨満感(おなかの張る感じ)、食欲の低下、吐き気、息切れなどの症状として現われることもあるようです。お腹の中に水が貯まると、体重が増えてきたり、お腹がカエルのお腹のように膨れてきます。また、尿の量が少なくなるなどの症状があるようです。
腹水の治療など
まず、塩分の摂取を控えることが原則と言えるでしょう。原因である症状が取り除ける場合(細菌の感染など)には、原因の治療を行います。低たんぱく血症のときにはアルブミンの点滴なども行なわれます。ですが、多く治療に使われるのは、利尿剤(尿を多くする薬)です。血液の中の水分を尿に出すことで血液のアルブミンなどを濃くして、腹水の水分がより多く血管の中に戻ってくるように働きます。利尿剤を使っても腹水が増えてくる場合には、腹壁を刺して直接腹水を抜く、腹腔穿刺(腹腔内に管を入れて溜まっている腹水を直接抜く方法)治療をし、利尿剤などによる治療がうまくいかない場合のみ実施することが多いとされています。