B型肝炎の特徴       (感染経路・症状など)

B型肝炎(HBV)はウイルスの感染によって起こる肝臓の病気です。感染すると約30%の人が急性肝炎になり、黄疸、発熱、などが見られます。多くは自然に治ってしまいますが、肝炎が急速に進行し劇症肝炎になってしまうおそれもあります。

 

 

B型肝炎の特徴

B型肝炎はB型肝炎ウイルスの感染によって起こる肝臓の病気です。このことを正しく認識し、HBVに感染していることがわかったら、症状がなくてもきちんと検査をして、病気を早く発見することが大切です。肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて、肝臓の働きが悪くなります。肝臓は、栄養分の生成、血液中のホルモンや出血を止めるための蛋白の合成、胆汁の産生と胆汁酸の合成、身体の中に侵入したウイルスや細菌感染の防御などの機能をするため、健康な肝臓であることがとても大切です。肝臓は予備能力が高く、一般に日常では全体の20%程度しか使われていないため、慢性肝炎や肝硬変になっても自覚症状が出ないことが多いことから、「沈黙の臓器」と呼ばれています。

 

B型肝炎の感染経路

一般にHBVに感染している人の血液の中にはHBVが大量に存在することから、C型肝炎ウイルスやエイズウイルスに感染している人の血液に比べて感染力が高く、本人が気付かない程度でも炎症がある場合には、精液や体液、分泌物などの中にごく微量の血液が混入することがあり、これらを介してHBVの感染が起こることはあります。また、感染している人の血液の中のHBVの量が多い場合には、その人の体液などを介して感染することもあります。HBVは主にHBVに感染している人の血液を介して感染します。まず、常識的な社会生活を心がけていれば、日常生活の場では、HBVに感染することはほとんどないと言えるでしょう。

 

B型肝炎の症状

HBVに初めて感染すると、全身倦怠感に引き続き食欲不振、悪心・嘔吐などの症状が出現することがあります。この場合、右背部の鈍痛や叩打痛をみることがあります。なお、HBVキャリアが肝炎を発症した場合にも、急性B型肝炎と同様の症状が出現することがあるため、肝炎の症状がみられた場合には、適切な検査を行って両者を区別する必要があります。黄疸以外の他覚症状として、肝臓の腫大がみられることがあります。これが急性B型肝炎です。また、HBVキャリアが慢性肝炎を発症している場合でも、ほとんどの場合自覚症状が乏しいので、定期的に肝臓の検査を受け、かかりつけ医の指導の下に健康管理を行い、必要に応じて治療を受けることが大切です。

 

 
 
 
 

 

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