E型肝炎の特徴(感染経路・症状など)

E型肝炎(HEV)は、HEVの感染によって引き起こされる急性肝炎ですが、慢性化することはないようです。ですが、血液を介して感染することや汚染された飲料水などで感染した例もあるようです。

 

 

E型肝炎の特徴

感染しても、症状が出ることはほとんどありません。まれにですが気付かずに重症になった例もあります。。平均6週間の潜伏期のあとに、発熱、悪心、腹痛などの、肝機能の悪化、黄疽が現れて、E型肝炎ウイルス感染によって肝臓に炎症が生じ、肝細胞の破壊、肝機能の低下を示す病気です。無症候性なものから劇症型まで重症度の幅が見られますが、通常は急性肝炎として発症・治癒し、慢性化することはありません。ですが、臓器移植後の臓器受領者という限られた症例において慢性化し肝硬変へ進展する場合があることが近年報告されています。 

 

E型肝炎の感染経路

E型肝炎ウイルスは食肉を原因感染があります。主には、ウイルスに汚染された水や食品を飲食することにより感染し、アジアやアフリカなどの衛生環境不良な発展途上国で流行する急性肝炎なようです。現在、日本にもウイルスが存在することが明らかになりました。ブタ、イノシシ、シカなどの肉やレバーを生で食べることにより感染することや、輸血による感染も存在することなどが明らかにされてきています。 ですが、E型肝炎ウイルスは75℃以上の熱で1分加熱すると死滅してしまうので、生食を避けて十分に加熱した上で喫食すれば安全と言えるでしょう。

 

E型肝炎の症状

平均ですが、6週間の潜伏期間をおいて、発熱、倦怠感、食欲低下、吐き気、腹痛などの消化器症状を示し、血液検査上、肝細胞の破壊を示す肝酵素の上昇、肝機能低下による黄疸が出現します。 通常2カ月の経過で完治しますが、まれに重症化、劇症化することがあり、1%~2%の死亡した例もあるようです。また、妊娠後期に感染すると劇症化率が高いという特徴をもち、死亡率が20%~に達してしまう事もあるようです。発症前後は糞便にはウイルスが排出されるため、手洗いを念入りにして排便後の衛生管理に注意を払う必要があるようです。
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