アルコール性脂肪肝とは?

アルコールを大量に摂取し続けると、肝臓はその処理に追われ、本来は肝臓で行われる中性脂肪の処理が、後回しになってしまいます。その結果として、中性脂肪やアルコールを分解する過程でできる物質も肝臓に蓄積されてしまうのです。

 

 

アルコール性脂肪肝とは?

症状の軽い人から劇症肝炎のような重い症状を示す人までさまざまですが、多くの場合大量飲酒が連続したときに発症します。肝臓が、アルコールの処理を優先して脂肪の代謝を後回しにするために、代謝されない脂肪が肝細胞にたまります。アルコール性肝臓病にはいろいろな種類の病気があり、飲み過ぎによりまずなるのが脂肪肝で、症状はないことが多く、偶然腹部超音波検査で見つかる場合が多いそうです。最近では食べすぎによる肥満や糖尿病による脂肪肝も増えていますが、飲酒をしている方はそれとの区別が必要です。飲酒が原因の脂肪肝では飲酒をやめれば短期間で改善するのが特徴なようです。

 

アルコール性脂肪肝の原因

アルコールの飲み過ぎによりにいろいろな臓器に病気が起こります。なかでも肝臓病は最も高頻度で、かつ重篤にもなる病気です。アルコール性の肝臓病は飲酒量が多いほど、また飲酒期間が長いほど起こりやすくなります。日本酒にすると5合以上の量を、毎日10年以上飲んでいる人たちの肝障害率が、約80%と言われています。アルコール性の肝臓病の特徴はB型肝炎、C型肝炎と異なり、自らの意思でその発生を予防できるのです。しかし残念ながらその予防は実行できていないため、現実にはアルコール性肝臓病の割合は増加していると言えるでしょう。

 

アルコール性脂肪肝から進行する病気など

初期の頃には、全身倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、黄疸、肝臓の腫れなどの急性肝炎に似た症状のほか、発熱などの炎症症状、腹痛、下痢などの消化器症状をともないます。重症になると、ひどい全身倦怠感・吐き気・嘔吐、吐血、意識障害、高度の黄疸、出血傾向、腹水、などが現われます。アルコール性肝炎から肝硬変に進行し、劇症肝炎のような経過をとって、1か月以内に死亡することもあります。アルコール性肝硬変の特徴の1つに、断酒を継続していると肝硬変が改善もすると言われており、お酒の量を控える、休肝日を作るなどの自己管理で防ぐ事が大切ではないでしょうか。

 

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