積算飲酒量とアルコール性肝障害の関係

積算飲酒量は、今までに飲んだアルコールの量です。これが多いほど肝臓病の危険が増します。大量のアルコールをば摂取をば続ける事で、肝臓ではアルコールの分解と共に中性脂肪の合成が進み、その結果脂肪肝を発症します。

 

 

積算飲酒量とアルコール性肝障害の関係

大酒飲みは肝臓をやられやすいということは古くから知られており、積算飲酒量、すなわちいままでに飲んだアルコールの合計量がアルコール性肝障害の重要な因子となっていることはあきらかにされています。したがって、いわゆる休肝日をつくっても、ほかの日の飲酒量が増えれば同じことになりますし、アルコール性肝硬変もしくはそれに近いものが存在する人では、休肝日をつくったり、1日量を減らしても、飲めば飲むだけ肝臓は悪くなると考えられます。しかし、アルコールの影響は、人種、性別、個人による差が大きく、これだけ飲んだら肝臓がわるくなるという一定の線を引くことはできません。

 

積算飲酒量から考えられる事

生活習慣を見直すことなく、大量に飲酒を続けていると、肝機能障害が進行し、慢性的な肝炎の状態になってしまいます。いずれは、肝硬変の危険にさらされることにもなります。肝機能障害には、肥満による過栄養性脂肪肝や、アルコール性脂肪肝などがありますが、どちらも肥満やアルコールの摂取量が多いことにより、肝臓の細胞に中性脂肪が溜まって発症します。これらの肝機能障害では、早期の段階で、食事やアルコールの量に注意をしていけば、次第に回復に向かっていきます。特に、若年者に多く、比較的少ない飲酒量でも発症するものなのです。

 

大量飲酒はいずれ癌になるのか?

大量飲酒を続けていると、まず肝細胞の中に脂肪が沈着する脂肪肝が起こります。脂肪肝はアルコール性肝障害の注意信号といわれています。この段階ではお酒を控えるだけでも、すぐに正常に戻すことか出来ます。それでも飲み続けると、食欲不振、吐き気、黄だん、発熱などの症状がみられるアルコール性肝炎になってしまいます。また、アルコール性肝障害の人は肝炎のウイルスを持っていることが多いことが分かっています。特にウイルス性C型肝炎が絡んでくると、アルコール性肝炎だけの時よりも重症化してしまいます。そして、免疫系の機能が低下しているので、肝硬変や肝癌が発症するのも早くなるといわれています。
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