腹部CT - 肝臓病の検査

腹部の横断面に多方向からX線を照射し、コンピュータ処理によって鮮明な横断画面線を描き出します。肝臓や胆嚢、膵臓など内視鏡で観察できない腹部臓器の病変を診断する際に有効です。

 

 

CT検査とは?

腹部の横断面に多方向からX線を照射し、画像で診察しますが、検査方法には、造影剤を使わない単純CT撮影と造影剤を使う造影CT撮影があり、後者ではより明らかに判定できます。近年では、どちらの場合も断層面5mmで撮影するため、小さな変化も読影できるようになっています。肝臓癌、胆道癌、膵臓癌などの腹部臓器原発の悪性腫瘍がないかどうか、それがどの程度進展しているか、腹部リンパ節に転移していないか、などがわかります。また、腹痛が急激に起こり、下痢や嘔吐などがともなう急性腹症が起きた際に、その原因となる消化管穿孔、胆石、胆嚢炎、膵炎、黄疸、尿路結石、解離性大動脈瘤、膿瘍などが見られないかを診断する際にも用いられるようです。

 

腹部CTでわかること

実際の腹部CT検査は、単純CT撮影と造影CT撮影の両方を行い、内視鏡では観察できない腹部臓器の異常を診断する際に有効である。腹部CT検査で異常が見られた場合に疑われる病気には、肝臓がん、胆道がん、肝硬変、胆石、胆嚢炎、膵炎、大動脈瘤などが考えられます。このように腹部CT検査を行うメリットは、腹部の横断面の状態について詳しく調べることができ、さらにコンピュータで処理されるので横断面の状態が鮮明に正確な画像として映し出されます。また、時相ごとの血流分布や周囲臓器との関係を観察する検査を行うこともあります。

 

腹部CTでの肝臓病の検査

CT検査は、体の全ての部分を撮影することができるので、さまざまな体の異常や病気に対して行われる検査ですが、特に、心臓、大動脈、肺、気管支、などの胸の部分や、腎臓、肝臓、などのお腹の部分を検査するために使われます癌では、特に脳やお腹の部分の癌を調べるために使われます。CTでの撮影では、半身全体などの広い範囲を撮影する場合、長い間息を止めておく必要があります。そのために、撮影中に血圧や脈拍数が上昇するので、高齢者や乳幼児、重病の人には使いにくいという問題もあります。また、判断は難しいですが、CT検査ではX線を用いるため、どうしても被爆はしてしまいます。
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