EOB・プリモビスト - 肝臓病の検査

EOB・プリモビストは、ガドキセト酸ナトリウムを、有効成分とする強調画像において、造影効果を発揮するMRI用の肝臓造影剤です。ガドリニウム系造影剤なので、T1強調画像で陽性造影剤として使用可能です。

 

 

EOB・プリモビストとは?

EOB・プリモビストとは、ガドキセト酸ナトリウムを有効成分とし、T1強調画像において造影効果を発揮する、MRI用肝臓造影剤です。静脈内投与後、血管内および細胞間隙に非特異的に分布するだけでなく、肝細胞に特異的に取り込まれる。その後、EOB・プリモビストは、尿中および糞中に排泄される。特徴として、静脈投与後、血管内、細胞間隙に非特異的に分布するだけでなく、キレート化された側鎖により肝細胞に特異的に取り込まれる。腎(尿)および胆道(糞)におよそ 6:4 の割合で排泄される。また、1 回の投与で血流および機能の評価が可能である。遅延相では胆道系描出能も優れている。肝腫瘍の存在診断、質的診断にも有効で、小病変検出にも優れているようです。

 

EOB・プリモビストでの肝臓病検査

超音波検査の簡便性、低侵襲性を活用してスクリーニング検査を行った後は、CT検査やMRI検査で確定診断する必要があります。CT検査ではヨード造影剤(造影剤を急速に静脈注入)を使った検査を行い、肝臓内を精査する方法が主流です。治療効果の判定にも大変有用で、肝細胞癌治療にはなくてはならない検査です。MRI検査もやはり造影剤を使用した造影 MRI検査(さまざまな撮像条件と造影剤の静脈注射を組み合わせ)を実施します。最近では、EOB・プリモビストの登場によって腫瘍の血流動態が把握できると共に、正常な肝臓組織と肝細胞癌が明瞭に区別できるようになってきました。

 

EOB・プリモビストの副作用

造影剤の安全性は確立されていますが、まれに副作用が起こることがあります。軽い副作用では、吐き気、頭痛、熱感、発疹などが、100 人に1人くらいで起こるようです。これらの症状は自然に軽快していきますので、基本的に治療を要しません。ただし、症状の程度により薬による治療を行うことがあります。重い副作用では、呼吸困難、意識障害、血圧低下などが、2万人に1人起こるようです。その症状に応じて適切な対応をいたします。病状や体質によっては非常にまれですが、約200万人に1人の割合で死亡する場合が確認されています。また、造影剤投与は、静脈からの注射で行いますが血管外に造影剤がもれることがあります。この場合には注射した部位が腫れて痛みを伴うこともあります。通常、自然に腫れは吸収され消失しますが、もれた量が多量である場合は処置が必要になる場合があります。
人生の幸せは肝臓で決まる