PIVKA-Ⅱについて -肝臓がんを調べる腫瘍マーカー
タンパクの一種で、ビタミンKが不足時に、肝細胞で作られる異常プロトロンビンですが、肝臓癌でも出現することから腫瘍マーカーとして利用されるようになりました。
PIVKA-Ⅱについて
PIVKA-Ⅱでは、次のような場合に検査を行う事があります。肝細胞癌を疑う時、HCV、HBV陽性の肝硬変や慢性肝疾患患者などが考えられます。PIVKA-Ⅱは肝細胞癌で上昇すし、その感度は50%強とそれほど高くはないですが、特異度が94%と非常に高いのが特徴です。AFPは肝硬変でもそこそこ高値を示しますが、PIVKA-Ⅱでは数%で陽性を示すに過ぎないようです。他の肝細胞癌の腫瘍マーカーであるAFPとは必ずしも相関しないため、お互いに補完する腫瘍マーカーとして測定されるようです。また、門脈浸潤例では高値を示すために、その予測因子となるようです。
PIVKA-Ⅱで検査できること
肝臓癌を調べる腫瘍マーカーの一つにAFPがありますが、このAFPとPIVKA-Ⅱには相関関係がないため、2つを同時に調べることで診断率は向上するといわれています。主には、肝細胞癌(肝臓系腫瘍)の疑いがある時に用いられる検査ですが、他に慢性肝疾患の程度を知りたいときや、化学療法や放射線療法などの経過観察を行う時にも役立つとされています。PIVKA-Ⅱが陽性であれば、肝細胞癌の疑いが強くなりますが、そこまではいかない疑陽性の場合には肝硬変、慢性肝炎、肝内胆汁うっ滞などの疑いが持たれます。異常値が出ているようであれば、超音波検査などの画像診断と、AFPなどと併せて総合的な判断をし、病気が認められれば早急な治療が必要となります。