B型肝炎ウイルスマーカーについて
B型肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、ウイルスマーカーという簡単な血液検査でわかります。ウイルスの表面には、たんぱく質(HBs抗原)があり、これが血液中にあれば、ウイルスに感染しているか判断することができます。
B型肝炎のウイルスマーカー検査
B型肝炎ウイルスにはいくつかの抗原があり、それぞれに抗体がつくられます。B型急性肝炎の診断では、これらのなかでHBs抗原とIgM型HBc抗体の測定が重要ですが、 B型肝炎ウイルスキャリアの人が急に、肝障害を起こしてくる状態との区別は難しい場合もあります。キャリアからの急性発症であれば一生経過をみる必要があるわけですから、慎重に区別しなければなりません。 また、経過を観察しながら、慢性化する可能性がないか、あるいはウイルスの増殖を抑える薬を投与する必要がないかを判断するために、血液中のウイルスの量やゲノタイプを測定することが重要なようです。
HBs抗原とは?
採血し、血清中のHBs抗原や抗体を調べることによって、B型肝炎ウイルス(HBV)感染の有無や、その程度を知ることができます。しかし、HBs抗原が確認されても、免疫がはたらかず中和抗体がつくられない場合は、肝細胞も破壊されないので、肝炎は発病しません。この状態を無症候性キャリアと呼びますが、日本ではこのキャリアが感染者の90%を占めているそうです。そのため、HBs抗原の測定は、急性肝炎や慢性肝炎、肝硬変、肝臓がんの診断の他に、キャリアかどうかの確認のためにも用いられています。B型肝炎ウイルス(HBV)は、特に血液を通じて感染するため、輸血時の感染や、出産時の母子感染を防ぐための検査として必要不可欠と言われております。