原発性胆汁性肝硬変(PBC)について
原発性胆汁性肝硬変(PBC)は、中高年の女性に好発する慢性進行性の胆汁うっ滞(胆汁の流れが阻害されている状態)性肝疾患です。胆汁の成分が肝臓内や胆管内に停滞し、さらには血液中に漏れ出してしまいます。
原発性胆汁性肝硬変について
原発性胆汁性肝硬変の原因となる胆管の炎症には、自己免疫が関与すると言われています。肝臓でつくられた胆汁は、胆道系を通って十二指腸に排泄されます。ですが、胆汁の流れる細い胆管が慢性炎症により壊され、胆汁の流れが悪くなり、肝臓内に胆汁が停滞、さらには血液中に漏れ出すことによって、起こる病気が原発性胆汁性肝硬変です。ほとんどの場合は、肝硬変に進行する前に発見され、原発性胆汁性肝硬変と診断されても肝硬変には至っていない場合が大半である。ですが、長期間胆汁の流れが悪い状態が続いたりすると、肝硬変になる恐れがあるようです。
原発性胆汁性肝硬変の症状
原発性胆汁性肝硬変は非常にゆっくりと発症します。初期にはまったく症状の出ない人もいます。問題は、数カ月~数年経過するまで起こらない場合がある事です。症状としては、かゆみ、尿の色が濃くなる、かゆみ、疲労感、口の渇き、目の乾き、黄疸(皮膚や白眼の部分が黄色くなる症状)が起こるようです。最終的には、肝硬変の症状や合併症が生じることがあり、(脂肪肝、肝硬変、)胆汁を小腸に排出できない場合、脂肪の吸収に障害が生じ、脂溶性ビタミンの吸収も妨げられます。脂肪を十分に吸収できないと、骨粗しょう症やアザや出血が生じやすくなり、脂っぽく悪臭のある便も出ることになるようです。
原発性胆汁性肝硬変の原因
原発性胆汁性肝硬変(PBC)は、35~70歳の女性多いようですが、男性やこれ以外の年齢層の女性にも発症するようです。家族内で発症する傾向があり、原因ははっきりしていませんが、おそらく自己免疫反応(免疫系が自分自身の組織を攻撃する反応)が原因と考えられています。原発性胆汁性肝硬変の人の95%は、血液中にミトコンドリア(エネルギーをつくりだす細胞内の微小な構造体)に対する抗体が存在しているようで、その存在しているミトコンドリア抗体が異常を起こす事で、原発性胆汁性肝硬変になるのではないかと言われているようです。