肝膿瘍とは?(原因・症状・治療など) -肝機能障害を引き起こす病気
肝膿瘍とは、肝臓の中に膿がたまった袋(膿瘍)ができる病気ので、その原因によって細菌性のものとアメーバ性のものとがあります。口から入ったアメーバが、腸の潰瘍部分から門脈を経て肝臓に達し、膿瘍を起こします。国内での感染は少なく、海外で感染したケースが多いようです。
肝膿瘍の原因は?
肝膿瘍の原因は、アメーバ、大腸菌、連鎖球菌、ブドウ球菌などが、肝臓の中で増殖し、膿を形成した状態になります。 肛門の炎症、腹部術後の感染、大腸や胆道の炎症、虫垂炎、アメーバ赤痢などから起こることが多いと言われています。赤痢アメーバの生育する海外への渡航者に認められるとされていますが、近年、同姓愛嗜好者に発生する例が少なからず報告されています。また、敗血症に続発して起こるもの、感染経路が不明の特発性のものも多くみられます。胆道感染では多発性の膿瘍が、血行性および特発性では肝臓の右葉に起こる単発性の膿瘍が多くみられます。
肝膿瘍の症状や引き起こす病気
具体的な症状としては、発熱、全身倦怠感、右上腹部痛などの炎症症状と、胆管炎を伴う場合は黄疸が現れることがあります。アメーバ性肝膿瘍では、前述の症状のの他にも、アメーバ性腸炎による血性下痢が認められることもあるようす。細菌性のものより、アメーバ性のものの方が症状はやや緩やかと言われてます。しかし、進行すると敗血症など重篤な障害をもたらす恐れもありますので早期の治療が必要です。また細菌性の肝膿瘍の場合は、肝臓以外の臓器にも影響を与えることが多く、特に、肺にも感染し、炎症を引き起こすリスクがあるようです。