γグロブリンの検査について(基準値や異常値の場合の考えられる疾患等) -肝機能の検査

γ(ガンマ)グロブリンというのは、人の血清から、いろいろな種類のウイルスに対する抗体(蛋白質の一種)を取り出したものです。これを注射することにより、生きたウイルスが入ってきてもそれをやっつける事で、病状が軽くなるというものです。

 

 

 γグロブリンの検査について

γグロブリンとは、血液中に含まれるたんぱく質のことです。 リンパ球からつくられ、免疫に関与しており、多くの細菌やウイルスを中和する抗体の働きがあります。ガンマグロブリン大量静注療法は、ステロイド薬や免疫抑制薬に反応しない患者さんに対して、 有効であることがわかっています。また、γグロブリンは感染後4~6日までに使用すると、発病予防ないし、軽症化に有効であるといわれています。それ以後に使用してもあまり効きません。効果があるという意見もあるようです。 できるだけ軽くすませたいと、思われる時には、注射を受けることがよいと思われます。

 

γグロブリンから考えられる疾患

何種かあるグロブリンのうち、肝硬変で増加するのはγグロブリンといい、免疫グロブリンともいいます。肝硬変というのは、元は肝臓の炎症(ウイルスや菌に侵される)です。グロブリンは、免疫ですから、肝臓内のウイルスを破壊しようとしてどんどん生産され、つまり増加するわけです。肝機能障害の原因によります。γグロブリンは、一般には慢性炎症でよく上がるものです。薬剤性の急性肝障害や脂肪肝では、上がらないことが多いと思われます。ウイルス性の慢性肝炎、肝硬変や、自己免疫性肝炎や原発性胆汁性肝硬変のように自己免疫疾患に関連したものでは、γグロブリンは上昇するようです。

 

γグロブリンの作用や副作用

γグロブリンは、人間の血液や体液中に含まれており、主に細菌やウィルスなどの病原体を体内から除去し、感染症から体を守る働きをしています。γグロブリンは、健康な人の血液から抗体成分を集めて濃縮したものです。その作用機序は、まだはっきり解明されていませんが、炎症を引きおこすもとになっている自己抗体を中和させたり、炎症反応の進行を抑制したり、免疫細胞の機能を調節するなどの複数の効果があり、これらが共同して免疫系全体に働きかけ、免疫機構を良い方向に調節する作用があります。副作用としては、発疹、水疱、頭痛、発熱、悪寒、紅潮、肝機能障害などがあります。ごく稀にですが、アナフィラキシー・ショックや無菌性髄膜炎、血栓塞栓症などが起こる場合があり、このような場合は直ちに点滴を中止します。副作用をできるだけ防ぐために、ゆっくりした投与速度で点滴するようです。
人生の幸せは肝臓で決まる