総ビリルビンの検査について(基準値や異常値の場合の考えられる疾患等) -肝機能の検査
ビリルビンには2種類あり、ヘモグロビンが分解されてできたものを間接ビリルビン、間接ビリルビンが肝臓に運ばれてアルブミン(血漿タンパク)と結合したものを直接ビリルビンといいます。この直接ビリルビンと間接ビリルビンを合計したものが総ビリルビンです。
総ビリルビンの検査について
ビリルビンは、直接ビリルビンと間接ビリルビンという2つの種類に分けられるのですが、これらを合わせた全体の量を総ビリルビンと言っています。ビリルビン自体が、実は毒性の強いものですので、この量が多くなり過ぎると、脳障害を起こしてしまう可能性が高くなります。特に、関節ビリルビンの量が多い場合には、より脳障害を起こす危険性が高いといわれています。そのような毒性の強いものがなぜ身体に存在するのかは、まだハッキリとは解明されていないようですが、一説によると、適正な量であれば活性酸素などによる酸化から細胞を保護する働きをしているともいわれています。
総ビリルビンでの検査での異常値の場合の考えられる疾患
総ビリルビンの成人での基準値は、男性、女性ともに0.3~1.3mg/dlで、この数値に異常があると溶血性黄疸や肝細胞性黄疸、閉塞性黄疸、脳障害などの疑いが持たれます。総ビリルビンはおもに黄疸を確認する検査として直接ビリルビンとともに測定することが多く、肝胆道系の障害の指標となります。黄疸は、ビリルビン代謝の過程になんらんの異常が起こった結果発生するもので、肝炎、肝硬変による肝細胞の壊死、胆石症などに起因する胆道閉塞による胆汁の停滞、ビリルビン過剰生産など、その原因はさまざまで、比較的早期に全身の皮膚や粘膜が黄色を呈するほか、尿や乳汁中にも認められるものです。