肝炎ウイルスマーカーとは?
肝炎ウイルスに感染しているか否かを調べるには肝炎ウイルスマーカー検査があります。肝炎ウイルスマーカー検査は肝炎ウイルス感染の有無および無症候性キャリアのスクリーニング検査として有用です。
肝炎ウイルスマーカー検査
ウイルス性肝炎の診断で欠かせないのがウイルスマーカー検査です。血液検査で、抗原や抗体遺伝子の存在の有無を調べ、肝炎での感染状況がわかる検査があります。肝炎ウイルスに感染すると、そのウイルスが作るタンパク質やその抗原に対して、体内の免疫システムが作り出す抗体、ウイルス自身の遺伝子などが血液中に増加をします。ウイルスマーカーとは、これら肝炎ウイルスに感染したときに現われる物質の総称で、血液検査でそれぞれの物質を調べることにより、ウイルスの型は、どれか、急性か慢性か、キャリアかどうか、他者への感染力が強いか弱いか、などの検査ができます。
ウイルスマーカー検査の目的
ウイルス性肝炎とは、肝炎ウイルスに感染して肝臓の細胞が壊れていく病気です。この病気になると、徐々に肝臓の機能が失われていき、ついには肝硬変や肝癌に至ることもあります。肝炎ウイルスの持続感染者の中には、自覚症状がなく、感染に気付いていないものが多い事があります。また、肝炎ウイルスの持続感染者は慢性肝炎や、肝硬変、肝癌へと移行する可能性があることから、自身の肝炎ウイルスの感染状況を認識するため、健康診査の場を活用して、肝炎ウイルス検診を実施するとともに、必要に応じて保健指導等を受け、医療機関に受診することにより、肝炎による健康障害を軽減し、進行を遅延させることができます。
肝炎ウイルス検査をするわけ
ウイルス性肝炎は、国内最大の感染症で、B型肝炎ウイルスに感染している人は120万人~150万人にのぼる(日本人の約100人に1人)と推計されています。 現在、癌による死因で3番目に多いのは、肝癌ですが、原因の約80%はB型、C型のウイルス性肝炎で、約15%がB型肝炎由来です。原因がはっきりしているので、肝癌は予防が可能な癌の一つといわれています。定期検査や適切な治療を実施すれば、肝硬変、肝癌を発症する人の数を減らすことができます。肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、血液検査で調べることができます。採血は短時間で済み、数週間で検査結果が出ます。 今まで肝炎ウイルス検査を受けたことがない方は、早期に一度、肝炎ウイルス検査を受けましょう。