血清アルブミンの検査について(基準値や異常値の場合の考えられる疾患等) -肝機能の検査
血清アルブミンとは、単純タンパク質の一種で、血液中の総タンパクの内50%~70%程度はこの血清アルブミンが占めており、血液の浸透圧調整や体外物質の保持・運搬機能を担っています。
血清アルブミンの検査について
アルブミン(Alb)は肝臓で作られますが、その際にはアミノ酸をはじめとするいくつかの材料が必要になります。アルブミンは血清蛋白中の約50%~70%を占める蛋白質で、体内で浸透圧の維持や各種の物質と結合し、それらの運搬に関与しています。栄養状態の悪いときには材料が不足しているため蛋白を合成することができなくなり、アルブミンは低下します。よって、栄養状態の指標として用いられる検査です。また、種々の肝機能障害でも蛋白の合成能力が低下するため、アルブミンも低下します。特に著明な低下を示すのは、肝硬変やネフローゼ症候群、悪液質、熱傷などで、急性感染症や慢性腎不全、甲状腺機能亢進症でも低下します。
血清アルブミンでの検査での異常値の場合の考えられる疾患
血清アルブミンは、生後1年で成人値(基準値3.8~5.3 g/dl)に達し、30歳までは男女ともに一定ですが、加齢とともに低下します。20~30歳代と比較すると50~60歳代では平均0.3g/dL、70歳以上の高齢者では0.4g/dL低いと報告され、老化による肝臓の機能低下と考えられています。また、血清アルブミンは採血時の体位によって影響を受けます。臥位を基準に、座位では平均5%、立位では平均13%高値になります。よって、入院患者では臥位採血するため、外来での採血時と比べて低値となります。特に高齢者の採血時には、注意が必要と言われています。
血清アルブミンでの肝機能の検査
アルブミンとは、血液中の蛋白質の一つで、血液の水分を保持する働きをします。アルブミンは肝臓でのみ作られるので、肝臓に異常があると値が減少します。ですが、健康な人でも、低栄養・栄養不足(たんぱく質不足)の場合は、値が低くなります。値が高い場合:慢性肝炎、肝硬変、多発性骨髄腫、脱水症状など。値が低い場合:肝硬変、ネフローゼ症候群、消化吸収障害などが考えられます。アルブミン濃度が低下している場合は、浸透圧の調整機能がうまく働かなくなるので、むくみや浮腫といった症状が出て、肝疾患やネフローゼまたは栄養失調などがが疑われるようです。