肝臓の再生能力
肝臓の再生能力ですが、正常な肝臓の場合では、炎症などの肝障害の発生や切除されても、全体の4分の1が残っていれば増殖し、数ヶ月で元に戻ってしまう能力があります。
肝臓の再生能力について
肝臓は、肝小葉というかたまりが肝臓を構成しています。そして、再生能力というものをもっています。再生能力とは、正常な肝臓の場合では、炎症などの障害の発生や切除されても、全体の4分の1が残っていれば増殖して数ヶ月で元に戻るというものです。ただし、再生できる数にも限度があり、肝硬変、肝不全の場合は治癒することができなくなってしまいます。なぜかというと、肝硬変になる数年~数十年のそれだけの長時間、炎症を起こし続けて肝細胞の破壊と再生を繰り返す間に、組織が繊維化を起こしてしまいます。再生能力を超えて傷め続けた結果、再生ができなくなるという事です。
肝臓の予備能力について
肝臓の予備能力とは、肝機能の低下をカバーする能力です。傷がついても正常な部分が働きを補うことで、働きは保たれて日常生活には支障をきたしません。肝臓にさまざまな原因で、障害が起こると、肝臓の代謝が障害を受けますが、肝臓は本来ある程度の障害を受けても、代償作用が働いて、元に戻ることができます。しかし、その能力が一定の限度を超えた場合には、もはや回復しないのと同様に、肝臓の障害の強さが一定限度を越えると、いわゆる肝不全という状態に陥ります。このような肝臓の性質を肝臓の予備能と言っています。肝臓は予備能があるため少々の障害では症状が現われません。そのために肝臓は沈黙の臓器と呼ばれています。しかし、肝臓の障害が少しずつゆっくりと進行していても、自覚症状がないので、気がついたときには手遅れになっていることが多いのが大半になります。
沈黙の臓器と言われる肝臓
多くの機能をこなしている肝臓が正常に働かなくなると、私たちは生命を維持していくことが困難です。肝臓には3000億個以上の肝細胞があり、この一部が機能しなくなってもすぐに再生する能力を持っていて、再生するまでは、他の肝細胞が補って働く機能も持っています。仮に、半分以上の肝細胞が死んでしまっても、他の肝細胞がフォローするという機能があるのです。脳や心臓は1本の動脈を頼りにエネルギーを受け取っていますので、その血管が詰まったり壊れたりしてしまうと、血液が送れなくなってしまうので細胞は死んでしまいます。ですが、肝臓には肝臓独自の門脈という血管があるので、酸素不足になることもありません。これらから分かるように、肝臓はダメージを受けても影響が出にくく、症状として表に現れにくいという特徴がるのです。肝細胞のほとんどがダメージを受けて壊れてしまうまでは滅多に肝臓が悲鳴を上げることはありません。